Clinical practice
「もの忘れ」は誰でも経験することですが、アルツハイマー型認知症等の病気が原因なこともあります。下記のような症状がある方は、ご相談ください。
・同じことを何度も尋ねるようになった。
・物をどこに置いたか忘れることが多くなった。
・昨日の夕食の内容を思い出せない。
・会話中に物や人の名前が出ず、「あれ、それ、あの人」と言うことが多くなった。
・財布がなくなった、誰かがとったのではないか、等と疑うようになった。
認知機能検査(もの忘れの程度などの脳の働きを調べます)、頭部CT/MRI(脳の形を調べます)、脳血流SPECT(脳の血流を調べます)、ドパミントランスポーターシンチグラフィー・MIBG心筋シンチグラフィー(パーキンソン病、レビー小体型認知症の客観的な指標です)、心電図、血圧脈波等の各種生理検査(不整脈や動脈硬化などの有無を調べます)
外来で数回に分けて、もしくは1週間程度の入院で、必要に応じた検査を行っています。
現在すでに治療を受けられている思春期の方に対して、複数の専門スタッフがコンサルテーションを行います。診察は予約制です。受診に際しては、主治医からの紹介状を持参してください。ご本人とご家族の受診が原則で、診察回数は3回程度です。ご家族の方だけの受診の場合は、相談回数は1回で、保険診療の適用にはなりません。
性同一性障害(gender identity disorder: GID)/性別違和(gender dysphoria)とは、生まれたときに戸籍などに割り当てられた性別と自分が主観的に感じている性別が食い違い、そのことに苦痛を感じる状態と定義されています。この問題を持つ人の多くは、心の性と体の性が一致せず、身体への違和感から苦悩を感じることがあります。また、周囲から望む性別で扱われない、あるいは周囲から受け入れられて望む性別で暮らしているのに法的な扱いは生まれたときの性別のままであるなど、社会生活上のさまざまな不都合をきたしていることもあります。
性同一性障害/性別違和の治療は、精神科で診断して精神療法を行うだけでは不十分なことがあり、ホルモン療法、性別適合手術などを包括的に行う必要があります。岡山大学病院・精神科神経科及び産科婦人科、泌尿器科、形成外科は、1999年から岡山大学ジェンダークリニックを結成し、診療科をまたぐ包括的な医療を提供しています。岡山大学病院は、このような包括的医療を行う我が国有数の医療機関であり、2015年末までに1900名を越える方が当専門外来を受診しています。
医療の提供に当たっては、日本精神神経学会の定めたガイドラインに沿って、法的・倫理的問題をクリアしながら適切に行うことを心がけております。法的な条件の整っている方には、診察を受けていただいた上で、戸籍の性別を変更するための診断書の発行も行っています。また、就学前を含む、小さなお子さんの相談にも積極的に応じています。
この問題で岡山大学病院受診を希望される方は、ホルモン療法や手術療法を希望される方であっても、まずは精神科神経科の外来を予約のうえ、ご来院ください。
統合失調症は、約100人に一人がかかると言われる病気です。脳の機能障害の一つで、考えや感情がまとまりにくい状態となり、「頭の中に響いてくる声」に怯えて家から出られなくなるなど、 今まで何気なくできていたことができなくなります。お薬を適切に用いることで、多くの方が以前とあまり変わりない生活を送られています。
専門外来では、統合失調症の早期・初期段階の方、およびそのリスクが高まった状態(こころのリスク状態)の方、統合失調症と診断されて通院中の方に、専門的な評価、検査を行います。そのうえで、診断、治療方法を複数の医師によるチームで評価します。
また、きちんとお薬を飲んでいるにもかかわらず、長年にわたって、不自由な生活を余儀なくされている方が、数多くおられ、「治療抵抗性統合失調症」と呼ばれます。クロザピン(商品名:クロザリル)は、今まで複数のお薬による治療を受けてきたにもかかわらず、症状が十分に良くならなかった治療抵抗性統合失調症の患者さんに対し、 世界で唯一効果が認められたお薬です。一方で、多くの副作用が報告されており、使用開始には入院が必要となります。当院は総合病院であるメリットを生かし、安全に使用することを心がけております。主治医の先生にご相談いただき、ご紹介状をいただいたうえでご予約いただき、外来にてご相談ください。
また、自己免疫性脳炎(抗NMDA受容体抗体)の検査も行っています。ご相談ください。