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酒本真次助教の論文がNature Immunology誌に掲載されました。

Mar.23.2023

Dectin-1 signaling on colonic γδ T cells promotes psychosocial stress responses
著者:Xiaolei Zhu#, Shinji Sakamoto#, Chiharu Ishii, Matthew D. Smith, Koki Ito, Mizuho Obayashi, Lisa Unger, Yuto Hasegawa, Shunya Kurokawa, Taishiro Kishimoto, Hui Li, Shinya Hatano, Tza-Huei Wang, Yasunobu Yoshikai, Shin-ichi Kano, Shinji Fukuda, Kenji Sanada, Peter A. Calabresi, Atsushi Kamiya
(#:Contributed equally)

DOI: 10.1038/s41590-023-01447-8

腸管免疫は腸内の微生物細菌叢と相互作用を持ち、腸管の恒常性に寄与しており、ストレスにより変化した腸内細菌叢は脳の機能不全を引き起こしますが、その機序はまだ明らかになっていません。今回我々は、腸管のγδT細胞が、慢性社会ストレスによる行動の脆弱性をDectin-1シグナルを介して調整することを報告しました。我々は、特定のLactobacillus種の減少が、宿主の免疫機構を保護する役割を持つT細胞の分化に関連し、またストレス誘発性の社会忌避行動にも寄与し、さらにその結果はうつ病患者でも一致していたことを示しました。またストレス感受性行動は、腸管のIL-17産生γδT細胞の分化の促進とそれらの脳髄膜への蓄積により引き起こされることを示しました。そしてこれら細胞・行動におけるストレス感受性の変化は、γδT細胞に発現する自然免疫の受容体であるdectin-1により仲介されることも明らかにしました。

なお、この研究は、2023年3月21日付の朝日新聞デジタルで「腸内細菌の変化がうつ病につながるメカニズム発見、漢方が治療薬に?」というタイトルで取り上げられています。

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